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人間の乗り物ではない

世界中を旅行していると、時としてとんでもない乗り物に遭遇することがある。単に乗り心地が悪いだけの乗り物ならともかく、中には乗ってしまうと命にかかわる乗り物まで存在するのだ。まさに人間の乗り物ではないのである。ここでは私が体験したか又は他の旅行者から聞いたひどい乗り物の中で、特に乗るのは避けたほうがよいと思われる乗り物を選りすぐっていくつか紹介しようと思う。


ペルーの高山列車 
写真はペルー南部鉄道の風景

1、ワンカーヨ/クスコ間の長距離バス(ペルー)

ペルーの首都リマから陸路でクスコを目指す場合、一つはリマから南下する列車でアレキパを経由して入る方法、もう一つはリマから列車でアンデス山中の町ワンカーヨへ入り、そこからバスでクスコに入る方法の2通りがある。問題の乗り物は後者のルートをたどる場合、お世話になることになる。

リマからワンカーヨへ向かうペルー中央鉄道の高山列車もティクリオ峠と呼ばれる峠を越える列車のため、高山病にかかるリスクがありへたをすると命を落としかねないが、問題はその先にある。

ワンカーヨからアヤクーチョを経由してクスコに至るルートを走るバスは、僕が今まで経験したバスの中では最強かつ最悪のバスだった。まずこのルートを行く場合、最低でも丸3日はかかるものと覚悟しないといけない。

また雨季には道が水没するため、さらに数日余分にかかることになる。つまり少なくとも丸3日はひどい振動に悩まされることになる。

山岳地域の道路のため道幅が細くかつアップダウンの多いデコボコの悪路のため、バスはスピードを出せず、のろのろ運転を続けることになる。ひどい場所を走るときははおそらく時速5キロも出ておらず、何度も歩いたほうがましじゃないかと思いつつ乗っていた。

僕はこのひどい道中が後半に差し掛かった頃、あまりの疲労でバスの中で爆睡していた。ふと目を覚ますと、バスは谷のほうに車体を傾むけてのろのろ運転を続けており、何故か乗客は僕一人しか乗っていなかった。僕は不安になって運転手に他の乗客はどうしたのか尋ねたところ、バスが重すぎで動かないため、乗客に一旦バスから降りてもらってバスの後ろを歩いてもらっているとのことだった。

僕が後ろを振り向くと、バスの後ろを乗客がぞろぞろと歩いているではないか。僕は爆睡していたため、この事態に気づかなかったのだ。僕は運転手に僕も降ろしてくれと頼み、その後約1時間、他の乗客と一緒にバスの後を歩いたのだった。そして途中、バスのタイヤのパンク修理もあり、ワンカーヨを出てから約4日後に無事クスコに到着したのだった。本当に大変な乗り物なのである。

ちなみにこのルート上にアヤクーチョという町があり、ここはペルーのポルポル派と呼ばれている反政府ゲリラ組織「センデロ・ルミノーソ」の発祥の地であり、また同ゲリラ組織が支配している地域でもある。そのためゲリラ活動が活発だった1990年代には、しばしばバス襲撃事件も発生して多数の死傷者を出していた。当時、旅行者も安全面を重視してこのルートを敬遠し、リマにある日本人が経営するペンションのオーナーも、絶対にこのルートを行かないでくれと口を酸っぱくしていっていた。

リマからクスコに陸路で行く場合、いずれの方法も時間がかかりすぎるため、途中の町に目的が無い限り、僕は飛行機で一っ飛びするのが絶対によいと思う。


グアテマラのバスにて


2、ベリーズシティ/フローレス間のバス(ベリーズ、グアテマラ)

別名「バイブレーションバス」と呼ばれている乗り物である。中米ベリーズのベリーズシティから、マヤ最大の遺跡と言われているティカル遺跡のあるフローレスまでは夜行バスがあり、未舗装のジャングル地帯を通るため超ハードなルートとなる。

僕は世界中で揺れの激しい乗り物に幾度となく乗ってきたが、このバスは横綱級に迫力があった。通常、バスの振動というものは激しく横に揺れることはあっても、激しく縦に揺れることはあまり無い。

しかしこのバスは激しい縦揺れがウリのバスで、僕の体はまるでピンポン球のように何度もバスのシートから跳ね上がり、その度に天井に頭をぶつけてしまった。

夜行バスなのに、これでは全く眠ることができない。途中、ベリーズとグアテマラの寂れた国境で息抜きがあり少しはほっとできるが、この乗り物に乗っている最中はただただ苦痛に耐えなくてはならない。

3、ナイジェリア航空(ナイジェリア)

アメリカ連邦航空局に機体の管理がずさんで危険と言う理由で、アメリカへの乗り入れを拒否され続けている世界で唯一の航空会社。その上、機体に用いられている燃料も質が悪く、他の成分で薄められ、国際基準の最低要件すら満たしていない。これでどうして飛べるのか、本当に不思議な乗り物である。

ナイジェリアは国も腐りきっているが、ナショナルキャリアもやはりこの通りの代物である。フライトキャンセルや遅れは日常茶飯事を通り越して当たり前。またその理由の多くが、政治家が外遊ではなく単なる遊びで外国に出かけるためというから、もう笑うしかない。

現在、僕がナイジェリアを旅行したころとは、政権が交代したため少しはましになっているかもしれないが、旅程をぐちゃぐちゃにされたくなければ絶対に乗ってはならない乗り物である。


4、クエッタ/ザヘダン間の列車(パキスタン、イラン)

炎熱列車と呼ばれている乗り物で、熱中症で毎年数名の死者が出るという有名な列車。僕が旅行した頃、この乗り物に乗ったオーストラリア人旅行者が、あまりの暑さのため持参した水をすべて飲み干し、さらに耐えられなくなってしまいついにトイレの水を飲んでしまったという噂がまことしやかにささやかれ、パキスタンからイランへ抜けるルートの最難関としてバックパッカーに恐れられていた。

この乗り物は日中にバルティスタン砂漠を横切って走るため、車内の気温がどんどん上昇し、特にノーククンディ付近では気温50度以上になり、炎熱地獄と化す。そのためこの列車に乗る場合は、2リットル入りのミネラルウォ−ターを最低でも1人2本は持参しなければならない。

僕はパキスタンからイランに抜ける場合、特別のこだわりが無い限り夜行バスで行くことをお勧めする。僕もこのルートをバス利用にした。夜行バスだとバルティスタン砂漠の最も暑くなる場所を真夜中に通過するため、熱中症のリスクが減るのだ。しかし早朝に到着したパキスタン/イランの国境は砂漠のど真ん中にあるためさすがに暑く、入国審査を受けるために列に並ぶのが辛かった。


5、キサンガニ/キンシャサ間の大型旅客船オナトラ(コンゴ民主共和国)

雄大なザイール川を約1週間かけて行く大型船の旅といえば優雅に聞こえるかもしれないが、とんでもない。この船に乗ると数々の修羅場が待っている。このオナトラに比べれば、インドの鉄道の2等車両や中国の鉄道の硬座どころか、今まで紹介した1〜4の乗り物さえも天国に感じることだろう。オナトラは僕が経験した乗り物の中で、ダントツ1位の最悪の乗り物である。

この船には人間だけでなく、猿、牛、山羊、鶏なども乗っており、現代版ノアの箱舟といった船である。また僕の友人はトイレにワニがいたといっていた。多種の動物が混在しているため、当然衛生状態は最悪で、医者もいないのでオナトラで病気になってしまうと命を落としかねない。

僕の友人はオナトラに乗船中に運悪くマラリアにかかり、死ぬほど苦しんでいた。また以前、オナトラでコレラが流行してし、ドイツ人旅行者が2人を含む数名が死亡し、ジャングルに埋められてしまったそうだ。いやはや恐るべき乗り物なのである。

オナトラは4層からなる大型客船の周りに多くの小型の船が連結されており、不恰好な複合船といった様相を呈している。一応、月に2回キサンガニ/キンシャサ間の1700キロメートルを7泊8日かけて運航することになっているが、決まったスケジュールは無く、誰もいつオナトラがやって来るのかわからない。知らぬ間にやって来て知らぬ間に去ってゆく、幻の乗り物なのである。僕が購入した乗船券には、オナトラが入港した2日前の日付が印字されていた。

オナトラには特等、1等、2等、3等と4タイプの運賃体系があるのだが、無賃乗船している人も多く、目的地に到着すれば持参のピローグ(丸木舟)に乗って逃げて行く。2等以下は多くの人々と多種多様な動物で混雑というよりは混乱しており、船室は乗客の熱気と湿度の高さで蒸し蒸ししていて、とてもじっとしていられるような状態でなかった。

しかし甲板に出れば涼しくて、気持ちがよい。ちなみに特等に泊まっていた外国人に話を聞くと、一応個室でエアコンが付いていたが、エアコンが故障していて部屋の中は炎熱地獄になっているとのことだった。結局その外国人も、僕のいる2等客室と甲板で道中のほとんどをすごしていた。また1等と2等以下では快適さに雲泥の差があり、1等以上だとエアコンのきいたレストランを利用することができるそうだ(レストランがうまいかどうかわわからないが)。

またオナトラには船内を住みかとしている多くの人々おり、彼らは青空市場のように甲板にシートを敷いて肉や野菜、果物、猿の燻製、食用のカブトムシの幼虫などを売っていて、これらを見るだけでも楽しい。オナトラがザイール川沿いの村々に近づくと、村々から多くの丸木舟がいろいろなものを売るためにやって来る。 オナトラの住民もそれらを大量に買って、船内で売りさばいていた。

乗船2日目、3日目になるにつれて、次第に周りの乗客とも顔なじみになり、少しは道中が楽しくなってくる。今までは自分の荷物の管理に神経を集中していたが、この頃になれば周りの乗客が何気なく見てくれている気がして、気持ちが少し楽になった(過信はいけないが)。

ただ注意しないといけないのは、オナトラには私服警官や自称警官も含めたちの悪い多くの警官が乗船しており、難癖をつけて乗客のものを奪い取ってしまう。コンゴの役人は旅行者に大変評判が悪く、一部は盗賊と化しているので注意が必要である。この乗り物に乗船希望の方は注意すべし。


 

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