あの小型飛行機で50人が一気に右側に移動したため、飛行機はバランスを失い大きく傾き、勢いよく落下した。まるでジェットコースターである。
たまったものではない。飛行機はそんなことくらいでは墜落はしないと思うが、それでもいったい何百メートル落下したことか。
もちろん僕たち以外には他の乗客もおり、機内は騒然となった。今までにこやかにしていたスチュワーデスが血相を変えて飛んできて、挙句の果ては機長から放送でお叱りを受ける始末。
全くもって冗談ではなかった。オーロラは見られたが、一歩間違えば僕たちもオーロラと共に消え去るところだった。
しかしあのごたごたと振動の中、しっかりとオーロラの写真を窓越しに撮影した人も数名いた。まさに執念だと思う。全く恐れ入ったものだ。
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